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Nickelレジン
Nickelレジンは、従来のジメチルグリオキシム(DMG)による沈殿化学に基づいたNi分析用レジンです。Nickelレジンは、ポリメタクリル酸レジンの細孔内部にDMGを含んでいます。Ni-DMG の沈殿がレジン上に生じ、そこで保持されることで、水溶性サンプルから容易に分離することができます。
Figure 1は、DMGとNi-DMG錯体の化学構造です。DMG化学をカラムやカートリッジに適用することで、分離手順を簡素化し、複数のサンプルを同時に調製することができます。
Nickelレジンは、DMGを11%(w/w)含んでおり、レジン密度は0.25g/mLです。Niに対する処理能力は、レジン1mLあたり1mg、充填済2mLカラムやカートリッジの場合は2mgです。
Figure 2は、Ni分析法の概略を説明しています。2mgのNi担体を含むサンプルを、pH8~9のクエン酸アンモニウム溶液からNickelレジン2mLカラムまたはカートリッジに充填します。Nickelレジンの下にPrefilterレジンの2mLカートリッジを追加すると、特にサンプル量が多い場合にNiの回収率が改善されます。
同じ溶液20mLを使用して洗浄した後、1.5~3M硝酸を少量使用してDMG錯体を溶解し、カラムから溶出します。63NiはLSCで、59Niはガンマ線スペクトロメトリ―で測定することができます。
サンプルから55Feを測定する必要がある場合、Niレジンへの充填の前に分離する必要があります。TRUレジンを使用してNiからFeを分離したEichrom分析法FEW01, Iron-55 in Waterをご覧ください。
Nickelレジンを米国Carolina Power & Light社が評価しました。上の表1は、63Ni放射能が10~6 から100mCi/unitの範囲にある様々なサンプルを用いて、標準的なDMG沈殿法とNickelレジンカラム分析法の対比結果を示しています。すべての放射能濃度の範囲において、沈殿法とNickelレジンカラム分析法の相関関係は±10%と優れたものでした。
Carolina P&L社では、放射性廃棄物除去レジン(RWCUレジン)のサンプルを使用して、汚染除去試験も実施しました。様々な放射化および核分裂生成物の除染係数(Nickelレジンカラム分析法によるサンプル処理前後の濃度比)は、表2の通りです。
表3は、カラム分析法についてCarolina P&L社が行った一般的観測の概略です。総合的にこれらの要素を比較したところ、カラム分析法の方が沈殿法よりも極めて速く、簡易であることを示しています。カラム分析法による化学回収率は沈殿法よりも高く、所要時間は沈殿法の1/3以下です。この研究では、カラム分析法で環境に優しいカクテル剤が使用でき、研究室で混合廃棄物を減らすことができました。
取扱仕様
Nickel レジン | |||
粒 径 | 容 器 | 入 数 | 商品番号 |
100 ~ 150 µm |
ボトル |
25g | NI-B25-A |
50g | NI-B50-A | ||
100g | NI-B100-A | ||
カートリッジ(2mL) |
50個入 |
NI-R50-A |
|
カラム(2mL) | 50個入 | NI-C50-A | |
カラム(5mL) | 20個入 | NI5-C20-A |