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MnO2レジンは、水サンプルからのRaの分離に適しています(参考:Moon氏 [1])。下記の実験では、水からRaを分離する際の異なるパラメータ(pH値、反応時間、レジン量、塩効果、流速)を評価しました。ほとんどにおいて、133Ba がRaのトレーサーとして使われました。Figure 1に示すように、溶液がpH4~8のとき、MnO2レジンの133Baに対する親和力は最大になります。

 

 

Figure 1:MnO2レジンの133Ba の回収率

脱イオン水10mL とレジン25mg を20℃で60分間マグネチックスターラーを使って攪拌。pH値は塩酸または水酸化ナトリウムで調製(測定にはNal ウェル型ガンマカウンターを使用)。

 

 

下のFigure 2で見られるように、水の塩分含有量が多くなるほどBa(またはRa)抽出の反応速度は減速します。サンプルの塩分濃度0~0.02%のサンプルでは15分間接触した後に平衡状態になるのに対し、塩分濃度0.35%では平衡状態になるまで25分間を要します。海水に近い成分の水(塩分濃度3.5%)の場合は、平衡状態に達するまで90分を要します。

 

Figure 2:水サンプルの塩分濃度に対する133Ba の抽出挙動
133Ba が標識された10mL水サンプルに、0%、0.02%、0.35%および3.5% の塩を付加。pH7に調整した各溶液に25mLのMnO2レジンを加えながら、マグネチックスターラーで異なる時間、攪拌。
 
 

MnO2レジンによる脱イオン水と海水からのラジウムとバリウムのバッチ抽出の研究は引き続き行われ、類似性があると見られています。

 

133Baと228Raの回収率に対する流速の影響に関する研究を、脱イオン水と人工海水の2種類で実施しました。塩水では、流速20mL/分を超えた場合は回収率が30%低下してしまう可能性があります。さらに、BaとRaの化学収率が互いに異なり始めることから、133Baは化学的同族体とはみなされずに、内部標準として用いるのが適切ではなくなります。

Figure 3:133Baおよび228Raの回収率。脱イオン水と人工海水で再現実験。1Lあたり1gのMnO2レジンを使用。

 

米国Savannah River Nuclear SolutionsのSherrod Maxwell氏[2]が開発した分析法では、Lnレジン、DGAノーマルレジンと一緒にMnO2レジンが使用されています。1.0~1.5Lの水からRa/Baを濃縮するために、1.25g/LのMnO2レジンを使用しました。サンプルをまずpH6~7に調製し、サンプル1Lあたり25mgのCaを加えます。その後、サンプルを流速約15mL/分でMnO2レジンに充填します。Raは、15mLの4M塩酸/1.5% 過酸化水素の混合液で溶出します。このRa溶出液を228Acの成長を待つため最低36時間放置して、Lnレジン(UとThの保持)とDGAノーマルレジン(228Ac の保持)のカートリッジを上下に積み上げたところにサンプルを充填します。228Acは、10mLの0.5M塩酸でDGAレジンから溶出し、その後、Resolve™フィルターを使用してCeF3で微量沈殿させます。

参考文献

(1) Moon D.S., Burnett W.C., Nour S., Horwitz P., Bond A., Applied Rad. Isot.., 59, 255 (2003).

(2) Maxwell, S.L., presented at Eichrom’s North American Users’ Meeting, Oak Ridge, TN, May 3, 2005

取扱仕様

MnO2レジン
粒 径 容 器 入 数 商品番号

75 ~ 150 µm

カートリッジ(2mL)

50個入 MN-R50-A

 

TEL:03-3862-2700(代表)

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