HidexULLAウルトラ低レベル液体シンチレーションアナライザー
Hidex社は30年以上にわたり、液体シンチレーションカウンター分野のコミュニティに貢献して参りました。近年の世界市場では、最も厳しいニーズを満たす真のウルトラ低レベル液体シンチレーションカウンターが不足していました。世界中のきれいな水資源をマッピングする際の地質学、生物由来素材の炭素含有量の検出、土壌、食品、飲料水に含まれるアルファ線およびベータ線アイソトープの微量濃度の測定におけるアプリケーションには、絶対的な精度と正確さが要求されます。
Hidex ULLAは、既存の技法、最新のイノベーション、現代的な使いやすさを兼ね備えた最先端の測定装置です。
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紹介ムービー
極低レベルバックグラウンドとトリプルコインシデンス(同時計数)検出器
極低レベルのバックグラウンドは、重厚なパッシブ鉛シールドと幾何学的に最適なアクティブガードで覆われた最新のトリプルPMT検出器によって実現します。また、トリプルPMT検出器は、放射能測定において一般的なTDCR(Triple to Double Coincidence Ratio)測定技法により、非常に高い計数効率、ルミネッセンスフリー測定、放射能の絶対値測定を容易にします。
バイアルは、静電気を除去するために測定チャンバー内に入る前に脱イオンされます。冷却モジュールは、サンプルを安定的かつ最適な温度で維持し、最高の計数効率を実現します。検出器内を窒素ガスで置換することにより、地下の実験室でしばしば影響を受けるRn-222ガスを除去することができます。
非常に高い測定効率
Hidex ULLAには3本のPMTがそれぞれ120°方向に配置されています。最適な検出ジオメトリにより、従来のダブルコインシデンス(同時計数)検出器よりも良好な検出結果が得られます。クエンチングが多くなればなるほど、トリプルコインシデンス(同時計数)検出器の利点は大きくなります。
例:H-3に対する効率(20mLバイアルを使用)
Hidex 300SL | Double Coincidence Counters | |
Unquenched: | >70 % | 65 % |
3H in water: | >35 % | 25 % |
3H in water, high quench: | 10 % | 5 % |
TDCR技法を用いたクエンチ補正
3本のPMT検出器により、外部または内部の標準線源機構を用いることなくサンプルの計数効率を得ることができる絶対計数法であるTDCR技法を用いた測定が可能になります。外部標準線源法とは異なり、TDCR技法は万能で、ケミカルおよびカラークエンチング両方の補正や、水溶性および有機サンプル、様々なカクテル剤およびアイソトープに対応します。TDCR法は、代表的なベータ線アイソトープ測定や、例えばY-90/Sr-90のチェレンコフ測定にも使用可能です。
従来のEu-152外部標準線源もオプションとして搭載可能です。また、内蔵のガンマ線源の代わりに、外部線源として宇宙放射線を用いたQPC(Cosmic Peak Quench技法)を使用することもできます。
ルミネッセンスフリー測定
Hidex ULLAは、ケミルミネッセンスからの干渉物を取り除き、他の低エネルギーノイズ事象の影響を低減することができるトリプルコインシデンス(同時計数)モードを使用できます。NaOH 中のC-14などのサンプルにおいても、ルミネッセンスが減衰するまで長い時間暗室で待つことなく、すぐに測定することができます。
アルファ/ベータ弁別機構
アルファ/ベータ分別機構は、オプションで搭載可能です。3Dグラフィック解析ツールによるアルファ線/ベータ線補正を採用したHidex社独自のアルファ/ベータ弁別機構は、ベータ線アイソトープの存在下でのアルファ線アイソトープを、確実かつ高感度に検出します。便利で信頼性の高い2D/3Dスペクトル分析ツールを使用すれば、面倒なアイソトープ固有の誤識別が生じることなく、校正と結果の検証を行うことが可能です。未知のアルファ線およびベータ線アイソトープが混合していても弁別測定が可能です。
デジタルPbシールドとHidexバイオ燃料測定法
デジタルPbシールドは、バックグランドの不確実性を減らします。バイオ燃料測定法は、サンプルと同様のブランクが用意できない場合でも、サンプルのバックグラウンド計数率を取得することができます。
- 最適な研究
- トリチウム水
- C-14年代測定
- 特許出願中のHidexバイオ燃料法(米国特許第11,520,058号)による燃料など生物由来素材の炭素含有量の検出
- 土壌、食品、飲料水に含まれるアルファ線およびベータ線アイソトープの測定
Hidex VALOユーザーソフトウェア
Hidex VALOは、Hidex液体シンチレーションカウンター用に特別に設計された現代的なユーザーフレンドリーのソフトウェアです。ユーザーのフィードバックに基づき、メソッドの構築、サンプルの読み込み、結果の評価など使いやすさに特に配慮の上、開発されました。新しいエネルギーのROIを含むデータの自動再処理と、サンプルの再測定なしでアルファ/ベータ弁別を行う機能を備えています。
このソフトウェアには、クエンチカーブ解析、半減期補正、新しいエネルギー関心領域(ROI)やサンプルを再測定せずにアルファ/ベータ分別機能を使用したデータの再処理などの自動の広範なデータ整理機能を備えています。マルチユーザー用に設計されているため、様々なアイソトープに対応するメソッド数は無制限となっており、Excelや他のプログラムへデータを簡単にエクスポートすることが可能です。また、ユーザーは新しいメソッドでサンプルを追加したり、測定中に優先順位の高いサンプルを追加することも可能です。Hidex VALOは、21CFR Part 11に準拠しております。
技術仕様
- サンプル容量 20/7/5mL:80/192/192
- 寸法:幅69cm×高さ130cm×奥行95cm
- 重量:約800kg
文献
ULLAを使用した文献が掲載されます
Journal of Environmental Radioactivity 280 (2024) 107545
Enhancing low-level tritium detection in environmental waters: assessing the Hidex ULLA liquid scintillation counter(open access)