Hidex300SL TDCR液体シンチレーションカウンター
Hidex 300 SLは、世界で初めて3本の光電子増倍管によるTDCR(triple-to-double coincidence ratio)技法を採用し、発売されたシステムです。
120°間隔で3本の光電子増倍管を配置しており、従来の2本による検出方式に比べてs/n比を大幅に向上しました。そのため、クエンチングが起こっているサンプルの測定には特に最適です。
システムは黒いスタイリッシュな小型形状で比較的軽量であるため、移動式ラボへの設置や船舶に搭載することも可能です。
主なアプリケーション
- 核・原子力産業
- 基礎生命科学
- 核医学
- 環境測定
※極低レベル測定用のHidex 300 SL/SLLは、バイオ燃料中の14Cの測定も行えます(国際標準法ASTM D8473)
3Hに対する効率(20mLバイアル)
Hidex 300 SL
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従来の2本のPMT による検出方式 |
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アンクエンチド |
>70%
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65% |
水中の3H |
>35%
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25% |
水中の3H(高クエンチ) |
10%
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5% |
TDCR技法による絶対値測定
3本のPMT検出器により外部/内部線源を使用せずに、計数効率を得るためのTDCRによる絶対値測定(DPM測定)を行います。外部線源法とは異なり、TDCRはケミカルおよびカラークエンチングの両方に適応し、水溶性/有機サンプル、様々なカクテル剤やアイソトープの種類にも対応できる万能な技法です。
一般的なベータアイソトープの測定や、90Y/90SrからのCherenkov光の絶対値測定に使用できます。
従来の外部線源法によるクエンチ補正をご希望の場合は、オプションで追加可能です。
ルミネッセンスフリー測定
Hidex 300 SLは、ケミカルルミネッセンスによる干渉を取り除き、その他の低エネルギーノイズの影響を減少させる唯一のトリプルコインシデンス(同時計数)モードを使用できます。NaOH中の14Cのようなルミネッセンスの減衰に通常長い時間がかかるサンプルを、暗所で安定させる時間を置かずに測定することが可能です。
MikroWin 300SL ソフトウェア
Hidex 300 SLは外付けPCで操作します。これはPCに不具合が発生した時に有効に作用するだけではなく、Microsoft Windowsベースの専用ソフトウェア(MikroWin)の最新バージョンへの更新や、Windowsの最新セキュリティ機能と互換させるメリットがあります。
なお、MikroWin 300SLソフトウェアは、監査証跡(Audit Trail)、データインテグリティ(Data integrity)、Electronic Record(電子署名)のようなCFR Part 11「電子記録、電子署名に関する規則」にも標準で対応しています。
※Hidex 300SLアカデミックモデルは対応しません。
アルファ/ベータ弁別機構(オプション)
最先端のアルファ/ベータ弁別機能をオプションで追加できます。この機能は高エネルギーベータ線に存在するアルファアイソトープを超高感度で検出します。校正と結果の検証は2D/3Dスペクトル解析ツールを使用し、アルファ・ベータアイソトープの混合物である未知のサンプルであっても弁別が可能です。一般的な用途には、222Rn、226Ra/228Ra、241Am、グロスアルファ/ベータの検出が含まれます。
Hidex 300 SL 仕様
サンプル容量20mL/7mL(本)
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40/96 |
測定効率3H/14C(%)
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70/96 |
バックグラウンド 水中の3H(CPM)
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12 |
寸法:幅×奥行×高さ(cm)
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52×63×68 |
重量(kg)
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125 |
オプション
- アルファ/ベータ弁別機構
- 外部標準線源(152Eu)
- 温度コントロール(冷却ユニット)
- 低レベルオプション
カタログ・文献
紹介ムービー