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Actinideレジン

米国 EICHROM TECHNOLOGIES

Actinideレジンは、DIPEX抽出剤を用いた製品です(Figure 1)。

このレジンはアクチノイド元素に対して極めて高い親和性があります(Figure 2)。

 

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酸濃度が1M に満たない場合、Actinideレジンのアクチノイド元素に対する保持率は、TRUレジンよりはるかに高くなります。したがって、Actinideレジンは、大容量の水溶性サンプルからのアクチノイドの予備濃縮に非常に有効であり、水溶性放射性廃液中のアクチノイドのモニタリングに理想的です。レジンを水溶性サンプルとバッチ接触させ、液体シンチレーション測定法で直接測定をすることで迅速測定が可能です。

 

アルゴンヌ国立研究所のDr. E. Philip Horwitz氏と彼のグループは、酸性化した河川水からActinideレジンを使用してAmを吸着し、それを測定しました。Actinideレジン量とサンプル量の比率を変えて行った研究では、1gのレジンにより4Lまでの水からは99%、10Lまでの水からは90%のAmが抽出できることが分かりました(Figure 3)。

 

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追加実験により、一般的にグロスアルファ測定に含まれる放射性核種の予備濃縮には、同じようにActinideレジンが使えることが分かりました(Eichrom method ACW11)。この分析法は、フランス電離放射線防護局(OPRI)後援の下行われたヨーロッパの水中アルファ線放射能量の相互比較テストにおいて、オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)のPieter Kwakman氏が用いました。彼の分析法では、0.3gのActinideレジンと100mLの水溶性サンプルを4時間バッチ接触させるというものでした。液体シンチレーション測定を4時間行うと、検出限界は0.03Bq/L(0.8pCi/L)になりました。

Kwakman氏の研究所で得られた結果はOPRIの設定値と極めてよく一致し、また代表的な研究所の結果よりも明らかに誤差が小さいものでした。Figure 4で示されている彼の研究結果は、2002年5月にパリで行われたヨーロッパのEichromユーザーズミーティングで発表されました。

 

Figure 5は、様々な元素に対するActinideレジンにおける最大ロード量を示しています。このレジンは、アクチノイド元素、特に六価の U(レジン1mLあたり50mg)と四価のTh(レジン1mLあたり30mg)によく機能していることが分かります。

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アクチノイドの保持におけるFeの影響は、分析分離ではしばしば懸念されることです。Figure 6とFigure 7は、様々な塩酸溶液中のAm(Ⅲ)の保持における、Fe(Ⅲ)とFe(Ⅱ)の影響を表しています。Fe(Ⅲ)が大きな影響を及ぼすのに対し、Fe(Ⅱ)の影響は最小限であることが分かります。Fe濃度が高いと思われるサンプルには、アスコルビン酸等の還元剤を付加することにより、Am保持におけるFeの影響を最小限に抑えることができます。

 

Figure 8は、錯陰イオン(例:硫酸塩とリン酸塩)は、Actinideレジンによる四価アクチノイドの吸着に影響を与える可能性があることを示しています。影響は重要ですが、もともとk’値が大きいため、これらの陰イオン濃度が最高1Mであれば、Np(Ⅳ)のk’値は105(1Mと3M塩酸のどちらかにおいても)となって、一般的な分析スキームにおいて明らかな問題点は見つかりませんでした。Actinideレジンのアクチノイドに対する保持力は非常に高いため、水性溶液を使用してレジンからアクチノイドを溶離するのはあまり現実的とは言えません。代わりに、イソプロパノールでDIPEX®抽出剤を溶解する必要があります。詳細は、Burnett, W.C., et al. (BW197) および Qu, H., et al.(QH198)をご参照ください。

 

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Figure 9は、HFとして付加されたフッ化物の影響を示しています。HFはアクチノイド元素の吸着に重大な影響を与えることはありません。このような特性により、Actinideレジンは塩酸/フッ化水素溶液で分解した土壌サンプルから直接、アクチノイドを予備濃縮することができます。土壌サンプル中のシリカを溶解する際に用いられるHFの濃度が1M以下であれば、Actinideレジンのアクチノイドに対する保持率が大幅に下がることはありません。

 

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参考文献

Horwitz, E.P., Chiarizia, R. and Dietz, M.L.,

DIPEX: A New Extraction Chromatographic Material for the Separation and Preconcentration of Actinides from Aqueous SolutionReactive & Functional Polymers, Vol. 33, pp. 25-36(1997) Actinides in Aqueous using Actinide Resin (HP197)

 

 

取扱仕様

Actinideレジン
粒 径 容 器 入 数 商品番号

100 ~ 150 µm

ボトル

25g AC-B25-A  
50g AC-B50-A
100g AC-B100-A
200g AC-B200-A
カラム(2mL) 20個入 AC-C20-A
50 ~ 100 µm カートリッジ(2mL) 50個入 AC-R50-S
DIPEX Extractant ボトル 10g AC-SX-B10

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TEL:03-3862-2700(代表)

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