1984年10月桑和貿易株式会社は、世界最大級の放射線分析機器メーカーであった米国パッカードバイオサイエンスが日本進出に際して日本企業との合弁方式により、その目的を達成させるため日本側の合弁相手会社として技術者集団により設立されました。
以来発展を経て、30年以上にわたり、日本国内の生命科学や環境科学の研究者の皆さまに欧米の最新の研究用機器、試薬等を広く多数ご紹介して参りました。

皆さまご承知の通り、第二次世界大戦後、世界を牽引して参りました科学は電子工学と生命科学と申しても過言ではございません。
この中、生命科学の進歩発展は目ざましいものがあり、生命の根源であるDNA/RNAの解明、そして今やiPS細胞という世紀の大発見のように、その進展はとどまることを知りません。
これらの発展が、地球上の先進国と言われる国々では人類の病気の多くを克服し、現在の長寿社会をもたらしております。

しかし、今後共この分野の科学は更に分子・原子レベルまで追求し、更に発展させねばなりません。
桑和貿易株式会社は、上記のような発展への微々たる貢献でしたが、今後も全社を挙げてそれに取り組みます。
なお、これまでの当社の歩みの中で以下のような貢献の歴史がございます。

即ち、DNA/RNAの合成機器や試薬を英国や米国より、ペプチド（特にマルチペプチドやコンビナトリアルケミストリー）・蛋白質の合成装置を米国より、更に糖鎖解析装置を英国より、またDNAフラグメントの解析装置を米国より、と日本で最も初期の研究時代に輸入し、大学・製薬会社等へ多数納入し、それらの研究を側面より加速度的に推進させました。
また近年では、マウスやラット等の実験動物を体外から生体内部の形態や機能を非侵襲的(in vivo)にイメージング解析する分子イメージングシステムを米国、フランス国より導入し、国立がん研究センターや国立循環器病研究センター、北海道大学等を含む多くの研究施設へ設置して参りました。

現在、わが国はエネルギー問題をどうするのかという報道が連日マスコミを賑わせております。
これは、主に原子力発電に由来するものであり、東日本大震災で原子力発電所の原子炉のリークによる放射能を正確に把握するための環境分析を正確に行うことが急務となっております。
当社はこのような放射能リークにより大気中に拡散した放射能が米、樹木等々、環境中に取り込まれたサンプルを自動調整する装置を米国ジョージア大学放射線研究センターと協力し、それらを輸入し、日本国内各地の放射能監視センターへ納入致しました。また、上記大震災(2011年3月)でリークした放射能の内部・外部被曝の測定、検査機器を昨2011年3月から現在まで多数の一般市民の方々や、福島県を含む多くの市町村の設置に消費者庁や、農林水産省、文部科学省のご協力の下にスピーディーに対応致しました。

また一方では、日本のエネルギーの供給源であった原子力発電も、活断層の有無により建設が今後大変難しくなり、原発炉の廃炉を決定するところも出て参りました。このような状況下で、私共は原子炉の廃炉に伴う廃棄物を処理する技法を英国より導入し、この廃炉の加速の一助に協力する準備を行なっております。

このように当社は、今後も生命科学はもちろんのこと、環境科学の研究に必須となる世界最先端機器を海外より積極的に導入し、わが国の研究開発や科学技術の向上に、そして日本のエネルギー問題に、更に貢献して参ります。

皆さまにおかれましては何卒引き続きのご指導とご支援の程、心よりお願い申し上げます。